テレビをみているとき
お口をあけて
いませんか?
姿勢が前かがみに
なっていませんか?

こんにちは歯科衛生士の山口です。
7月8日に札幌で行われました、保田好秀先生の「口呼吸を改善する小児矯正セミナー」に参加してまいりました。
口呼吸と歯並びはとても深く関係しています。
矯正歯科相談に来られる患者さんの中にも口呼吸が原因で歯並びが悪くなっているお子さんが多くみられます。
「口呼吸をする」→「舌の位置が悪くなる」→「頬の圧力が上の歯列にかかりやすくなる」→ 「上あごが狭くなる」→「下あごが狭くなる、下あごの位置が悪くなる」→「さまざまな不正咬合が生じる」
というように口呼吸を続けていると不正咬合を生み出す悪循環が起こってくるのです。
このような悪循環を断ち切るためには、狭い上あごを広げることで可能になります。
上あごを広げることにより歯列が広がり、歯の並ぶ場所が増え、かつ鼻腔も広がり口呼吸の改善が期待できます。
大人になってから骨格を治すのは大変なことですが、骨格が成長途中の子どもだからこそ矯正歯科装置で広げることができます
子どもなのに朝から疲れていたり、いびきをかく、またびっしょりと寝汗をかく、おねしょがなくならない、、、
といった症状に思いあたる場合も口呼吸が原因しているかもしれません。
鼻やのどの通りが悪くて、いい睡眠がとれていないのかもしれないということです。
子どものうちに狭いあごをひろげて、将来大人の睡眠時無呼吸症候群を防ぐという考えを提唱する先生もいるそうです。
人は一日に2万回以上呼吸をしています。
保田先生のセミナーではたくさんの症例をみせていただきました。
上あごをひろげた後、寝汗が減り、すやすや眠れるようになった子や風邪をひきにくくなったり、中耳炎が治った子もいたそうです。
口呼吸から鼻呼吸になるとこんなにも違いがあります。
歯並びを良くしていくために、まず土台となるあごの形を整えていくと健康にも大きな改善がもたらされることを学びました。(山口 記 2018年盛夏)
参照:「口呼吸はわざわいのもと」 保田好秀著
口の周りの癖と
歯並びについて

口の周りの癖、たとえば、よく知られているところでは、「指しゃぶり」によって歯並びが悪くなるというのをきかれた方は多いかと思います。
長期にわたって指しゃぶりを続けていると、前歯が指で押されて前方に出てくるだけでなく、上の顎の骨の形まで変形してくることもあります。また、上と下の歯の間に指の入る隙間ができて、次にこの隙間に舌を入れたり挟んだりする癖が出てくることもあります。
指しゃぶりはそれをしている子どもも自覚がありますので、比較的直しやすい癖であるのですが、この舌を歯の間に挟む癖は本人も家族の人も気づきにくく、大人になっても続いているということがあります。
また、指しゃぶりの経験のない人でも、話をしたり、食べ物を飲み込んだりするときに、舌の先や横を上下の歯の間に突き出したり、本を読んだり、テレビを観ているときなどに口をぽかーんと開けて上下の歯の間から舌が出ているような状態であれば、これを「舌癖(ぜつへき)」があるといいます。
増加傾向にある
舌癖と「口呼吸」
の子ども

最近、治療に通っている子どもたちの中にこの舌癖が見られる割合が多くなってきたように思います。そして、このような子どものほとんどが、鼻で息をせずに口で息をしている「口呼吸」です。アレルギー性鼻炎や鼻づまりのために口で息をしていたのが癖となって、鼻で息ができるようになっても口呼吸が続いているという状態の人が少なくありません。
口を開けていると、唇の力が弱くなり、歯を外側から押さえる力がなくなり、さらに、舌で歯を内側から押すような舌癖が伴うと、上下の歯が咬み合わないが合わない開咬(かいこう)や空隙歯列(すきっ歯)などの歯列不正が生じ、発音も不明瞭になります。
また、このような人たちは口の周りの筋肉のバランスが崩れているため、しまりのない口元となり、体全体もどことなくだらりとした状態となっています。
癖や生活習慣を
直すことも大切な
「治療」

こういった癖のある人の歯の矯正歯科治療をして、装置の力できれいな歯並びを作ったとしても、その後、装置をはずすと舌の力で歯を押したりなどして、きれいな歯並びを保てなくなることがあります。そのため、口の周りの筋肉のバランスが正しく維持できるように、「指しゃぶり」、「口呼吸」や「舌癖」といったような癖を直すことも大切な治療です。その他には、顔のゆがみのある人の中に、長い間「頬杖」をついていたのが原因であったという場合もあります。このような癖のある人はなるべく早いうちに直していきましょう。
当院では、なかなか癖の直らない人対して口腔筋機能療法といって、正しい舌や唇の位置と力を保ち、正常な発音や食べ方の習慣をつけるレッスンを行っています。
保険適応になる矯正歯科治療をご存知ですか?
顎変形症の他、以下の厚生労働大臣が定める疾患の場合、矯正歯科治療を保険で受けることができます。
厚生労働大臣が定める疾患
- (1) 唇顎口蓋裂
- (2) ゴールデンハー症候群(鰓弓異常症を含む。)
- (3) 鎖骨頭蓋骨異形成
- (4) トリーチャ・コリンズ症候群
- (5) ピエール・ロバン症候群
- (6) ダウン症候群
- (7) ラッセル・シルバー症候群
- (8) ターナー症候群
- (9) ベックウィズ・ウイーデマン症候群
- (10) 顔面半側萎縮症
- (11) 先天性ミオパチー
- (12) 筋ジストロフィー
- (13) 脊髄性筋委縮症
- (14) 顔面半側肥大症
- (15) エリス・ヴァンクレベルド症候群
- (16) 軟骨形成不全症
- (17) 外胚葉異形成症
- (18) 神経線維腫症
- (19) 基底細胞母斑症候群
- (20) ヌーナン症候群
- (21) マルファン症候群
- (22) プラダー・ウィリー症候群
- (23) 顔面裂(横顔裂、斜顔裂及び正中顔裂を含む)
- (24) 大理石骨病
- (25) 色素失調症
- (26) 口腔・顔面・指趾症候群
- (27) メビウス症候群
- (28) 歌舞伎症候群
- (29) クリッペル・トレノネー・ウェーバー症候群
- (30) ウイリアムズ症候群
- (31) ビンダー症候群
- (32) スティックラー症候群
- (33) 小舌症
- (34) 頭蓋骨癒合症(クルーゾン症候群及び尖頭合指症を含む)
- (35) 骨形成不全症
- (36) フリーマン・シェルドン症候群
- (37) ルビンスタイン・ティビ症候群
- (38) 染色体欠失症候群
- (39) ラーセン症候群
- (40) 濃化異骨症
- (41) 6歯以上の先天性部分無歯症
- (42) CHARGE症候群
- (43) マーシャル症候群
- (44) 成長ホルモン分泌不全性低身長症
- (45) ポリエックス症候群(XXX 症候群、XXXX 症候群及び XXXXX 症候群を含 む。)
- (46) リング 18 症候群
- (47) リンパ管腫
- (48) 全前脳胞症
- (49) クラインフェルター症候群
- (50) 偽性低アルドステロン症
- (51) ソトス症候群
- (52) グリコサミノグリカン代謝障害(ムコ多糖症)
- (53)線維性骨異形成症
- (54)スタージ・ウェーバ症候群
- (55)ケルビズム
- (56)偽性副甲状腺機能低下症
- (57)Ekman-Westborg-Julin 症候群
- (58)常染色体重複症候群
- (59) 巨大静脈奇形(頸部口腔咽頭びまん性病変)
- (60)毛髪・鼻・指節症候群(Tricho-Rhino-Phalangeal 症候群)
- (61)クリッペル・ファイル症候群(先天性頸椎癒合症)
- (62)アラジール症候群
- (63) 高 IgE 症候群
- (64)エーラス・ダンロス症候群
- (65)ガードナー症候群(家族性大腸ポリポージス)
- (66)その他 顎・口腔の先天異常
